クリスマスカード

クリスマスの一週間ほど前に私宛にクリスマスカードが届いた

 

 クリスマスカードを貰ったのは初めてでそれはドイツからのエアメール

 送り主は昔勤めていた会社の先輩

 

そのクリスマスカードにはドイツで3回目のクリスマスを迎えたことワイン、サッカー、自動車レースといろいろな経験して充実している様子が書かれいた

 

その先輩というのは私が新卒で入社した会社の同じ課の先輩でビジネスマナーや業務内容についてほとんど彼から教えてもらった

仕事ではお世話になりっぱなしだったし

とてもやさしくて一言で表すなら“いい人”

 

思い返せば以前その先輩がドイツに赴任する旨と赴任先の住所とメールアドレスが書かれたハガキが届いていた

 

私がその会社を辞めて10年ほど経っていてその間に先輩の結婚式の二次会や新居に元の同僚と一緒に一度お招きして貰ってからは年賀状だけの繋がり

 

海外赴任が決まって届いたハガキが日本の消印だったので取り敢えずハガキにあるメアドにメールをしたのだけど返事はなく

あれから先輩からも便りもないので年賀状も出す事もなくなりすっかり存在を忘れてた

 

私的には突然クリスマスカードが届きドキッとしたけど返事をどうしたらいいのか少し考えてドイツ宛に年賀状を出す事にした

 

ネットで調べたらハガキの宛名に住所の他に“VIA AIR MAIL”と青文字で書けばOK

料金は70円で以外と安くて驚いた

実際に日本で出す年賀状にドイツの宛先を書いて郵便局の窓口へ出したら年賀ハガキでは足りない18円分の切手代金を払って「あとはこちらで切手を貼っておきます」と言われてすんなり出せました

 

 

このクリスマスカードにドキッとして返事を迷ったのは先輩は私の事を“好きだ”と言ってくれた人だったから

 

私は会社を結婚退職しているが結婚相手の彼は“好き”なんて事面と向かって言う人ではないしもちろん私の事を“かわいい”いうこともない

 

だけど先輩は私に彼がいる事を知っていたのにもしらしたら転勤になるかもとその前に告白してくれたのだ

 私のどこが好きなのか聞いたら

 

会議中プロジェクター使用を使って暗くなるとすぐに寝ちゃうところ

寝顔がかわいいからプロジェクターが終わるぎりぎりに起こしてたこと

それいいところ?って感じだし、他にもたくさん言ってくれたけどあとは忘れちゃった

 

確かに仕事中でミスをしても怒られる事もなかったし私が困らないように前もってフォローしてくれてるのも気づいてた

なんならたぶん私の事を好きかもと思ってたし周りからみたら甘やかされてたと思う

 

でもそれに気づかないふりしてた

 

入社して半年したぐらいに残業して遅くなったからご飯でも行こうってはじめて2人でご飯を食べた行った時

奢ってくれるって言われたけど「割り勘にしましょう」っと私が言った事を覚えてて(結局その時は奢ってもらったけど)

こんな俺とご飯食べるのにお金払わせられないってそのあとご飯誘えなかったんだって

たしかにそんな事言ったの覚えてて当時の私は先輩に予防線張る為に“いい人”を利用したのだ

 

ほんとうにそれを守ってて告白された日もわざわざ仕事終わりに高速にのって連れて行かれたレストランも割り勘だった笑

 

しかも、先輩の車が新しくなってて車を新しいの買えたら告白すると決めてたらしい

 

そんな思いでしてくれた告白を私は「聞かなかったことにしていいですか」なんて

職場でいつも一緒に過ごすのに気まずくなるのがいやでなかった事にしてしまった

結局先輩の転勤より私の退職するのが先でそれまで何もなかったように過ごした

退職してからも先輩の結婚式の二次会にも呼んでくれたけど、そこで新婦側の受付の人に私が新婦の妹に間違われた事先輩は知らないんだろうな

はじめて見た先輩のお嫁さんは綺麗な人だったけど複雑な気持ちになったよ

 

きっと今先輩は幸せで充実してて余裕があるからクリスマスカードを送ってくれたんだろう

 

日本で平凡な主婦として過ごしてる私はいろいろな事を思い出してあの時違う返事をしてたらなんて…

 

でも先輩は凄く優しくて“いい人”なんだけど匂いかだめだったんだよなぁ

 

あぁ、匂いって大事

 

 

 

 

 

結局私が会社を辞めるまで転勤する事なく
その時の私は関係が気まずくなるのがいやで聞かなかった事にしてしまった